Autogenesis diary

日々思う事やイラスト制作日記。

デッサンは基礎っていうけれど・・・?

デッサンは基礎ってよく言いますよね。

絵を描くにはまずはデッサンから!!と。

僕も随分と前になりますがデッサンを描いていました。特に苦労したのが石膏デッサン・・・。顔が似ないんですよね・・・なかなか・・・。そして変に平面的になり、描けば描くほど変になってくる。あげくの果てに劇画のようになってきた時には自分の力のなさに涙がでそうになったことも・・・。そしてその時、ずっと思っていたことがあります。それは

デッサンって本当に必要なの・・・?ってことです。

 

なぜならその当時から僕が好きなアーティストって、ジャン=ミシェル・バスキアだったり、アンディ・ウォーホルロバート・ラウシェンバーグだったりする訳なんですよね。そうなると、あんまりデッサン関係ないじゃん!!と素人的に思ってしまう訳です。正直、もう1人の好きな画家、サルバドール・ダリシュルレアリスムの代表的画家)が好きでなかったら当時の僕はデッサンを続けていなかったかもしれません。ちなみにピカソはデッサンとか凄いですよね。

 

そこで久しぶりにデッサンのことについて考えてみました。

 

デッサンにも結構種類があります。鉛筆デッサンだったり木炭デッサンだったり、黒い紙から明るい部分を白の色鉛筆で描きおこしていくデッサンだったり。どれも描き方や意図が少し違うんです。僕がよく描いていたのは鉛筆デッサンと木炭デッサンなのでそこから自分なりに思ったことを記します。

 

まずは鉛筆デッサン。鉛筆ってみなさんご存知のように濃さが分かれていますよね。それをうまく使いこなすと一気に上達していくんです。極端な話、HB一本の鉛筆だとなかなか難しいんですよ。それはなぜかというと、HBの鉛筆でだせる濃さと6Bでだせる濃さは全然違うからです。普段の学校教育で受ける授業ではB一本で十分なので、鉛筆の6Bの濃さを知らずに生活しています。僕もそうでした。6Bの濃さ、結構強烈です。そして鉛筆は濃さが違うと、その鉛筆の堅さも違うんです。それを使い分けると表現の幅が一気に広がる。なので金属質を表現したい場合は、薄めの固い鉛筆を多く使用して描いていくと表現しやすいんです。なぜかというと金属は固いですからね。だから固めの鉛筆。なので、どこの部分でどの鉛筆を使用するか、鉛筆の先は尖っていたほうがいいのかなどを選択して決めていくということも重要になります。 

つぎは木炭デッサン。こちらは木炭なので濃さは鉛筆ほど種類はありません。細い木炭と太い木炭があるくらいです。なので、ものの質感などを表現するのが鉛筆よりも大変になってきます。どうやって表現方法を変えていくかというと、手で擦ったり、ガーゼで擦ってみたりと本当に試行錯誤。そして一度描くと消しゴムで消しても鉛筆ほど綺麗には消えません。結構至難の技です・・・。ですが、そのものの躍動感や迫力、量感を表現するのにとても勉強になるんです。画家が木炭デッサンをよく描くのがわかります。

 

で、僕がデッサンを通じて感じたのは、ここで何回も出てくる言葉。「表現」です。僕はデッサンは表現の基本だと思っています。金属的なものを見て、それを表現したいときにどうすれば表現できるかを考える。風になびくカーテンの躍動感を表すにはどうすればいいのかを試行錯誤する。

何かを表現するということはとても大事なことだと思います。なかなか普段は気がつきませんが、私たちの周りには表現を形にしたもので溢れています。表現をしなければ何も生まれてこないのではないか・・・と思えるほどです。家電や家具だって表現の結果生まれてきたものだ、とも言えます。その表現の基本を鉛筆と木炭は教えてくれます。僕自身で言えば、鉛筆からは「選択していく力」「観察力」、木炭からは「考える力」、そしてあと忍耐力(笑)を学んだような気がします。それは絵だけではなく、仕事や生活のうえでも役立っています。正直、デッサンが上手くなるとか、下手なままとかあんまり関係ないかな・・・と。何を学んだかが自分でわかればデッサンはとてもいいものになります。よければみなさまも時間がある時に、テーブルにリンゴを一つ置いて試しに鉛筆で描いてみて下さい。自分がいかにそのもの自体をよく見ていないのかがよくわかります。

 

いま思えば、デッサンからいろいろ学んだな・・・。と思います。当時そこまで感じてはいませんでしたが・・・。でも、基本をすっ飛ばして一気にいくのもそれはそれでありだと思います。それって、結構かっこいいですよね・・・ちょっと矛盾してますが・・・。

 

ということで、ちょっと昔の事を思い返してみました。また制作に入るとします。読んで頂きありがとうございました。

 

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